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ご挨拶

教授   高山 勝己 (Professor, Katsumi Takayama, D. Agrl.)

メールアドレス: takayama●fukui-nct.ac.jp (●を@に変えて下さい)

経歴・業績については、
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このホームページは在学生並びに中・高生の方(保護者)を対象として作成しています。

 福井高専と同じ58歳です。 

ご挨拶

 はやいもので福井高専に着任して30年をこえました。 この間いろいろな人と出会いお世話になってきました。 時には厳しい叱責を受けたこともありました。しばらく立ち直れなくなったその時の経験が今の自分をつくっています。本当に感謝です。
 あれがないこれがないと不満を覚えた時期もありましたが、与えられた環境の中で何ができるのか?自分はどのようにしたら社会に貢献できるか模索してきました。地域の方がいろんな問題を相談に研究室を訪問してくださいます。むしろ専門外のことの方が多いのですが、出会いを大切にし、一緒に考えてみることで解決の糸口が得られると信じています。 
 主に微生物を用いたバイオセンサー、バイオリファイナリー、環境浄化に関する研究を行っています。最近は食品や農業に興味を持っています。その一つとして植物工場が抱える諸問題に取り組んでいます。
  常に謙遜であることを、そして3C(Compassion, Conviction, Communication)の賜物が与えられるよう日々願っています。高専に入学してくる学生さんが
“夢”を持てるような教育・研究指導ができればと思っています。

座右の銘 まだまだ至りませんが、克己復礼” です。

Profile
Katsumi TAKAYAMA received the BS degree in material science from Toyohashi
University of Technology in 1988, and obtained the PhD degree in agricultural
chemistry from Kyoto University in 1997. After working as a Research Assistant
and Associate Professor, he has been serving as a Professor in the Department
of Chemistry and Biology of Fukui National College of Technology. His current
research interest is development of biosensor and bioremediation.

好きな名言
I was like a boy playing on the sea-shore, and diverting myself in now and then finding a smoother pebble or a prettier shell than ordinary, whilst the great ocean of truth lay all undiscovered.
                                                 Isaac Newton

偉大なる人物!ニュートンであるがゆえの言葉。なんと高尚なことか!

研究室の変遷
 当研究室の原点は、創立時工業化学科・初代高岡和則先生に始まります。高岡先生は、ポーラログラフィーに関する研究で学位を取得され、福井高専在職期間中、一貫してポーラログラフィーでの研究を行われました(電気分析化学研究室)。30年以上にわたり、時流に惑わされることなく研究テーマに一貫性を持たれていたことは私にとって驚きでありました。時が流れ、環境問題から水銀の使用が厳しくなったことで、最後の数年間は研究方針の変更を余儀なくされました。かつて実験室では水銀精製装置が連日夜中まで稼働し、先生がカロメル電極や様々な機材を自作されていた姿が懐かしく思われます。その実験室の傍らに机を置いていた私には、水銀の中で生活しているようで少々不安な気持ちだったのですが現在も健康であるところを見ると大丈夫なようです。柳本製作所の初代タイプの測定装置を手を加えながら大切に退官のときまで愛用されていました。私も短期間でしたが借用させていただいたこともあり、ご退官のときに廃棄を余儀なくされましたが、今思えばかなりのレアもので記念に保管しておけばよかったなと後悔しています。担当教科は物理化学であり教育にとても熱心で、講義に備え毎日勉強に励まれていました。学生からの質問に、どんなに多忙であっても真摯に対応されていました。そして“教育者たるもの日々の日進月歩にありますよ。向上心を失ったのであれば学生に害を及ぼすだけでもう教師はやめるべきですよ”といつもおっしゃっていました。
 2代目は吉村忠与志先生。化学工学を専攻され、同じくボルタンメトリー分野でのご研究で学位を取得され、後にコンピューターケミストリーの研究に転換され、さらに化学教育の分野で多大なる貢献をされました。関連の学協会の設立にも尽力されました。多忙な中、地域の問題にも積極的に関心を寄せられ、多くの環境科学に関する研究課題に取り組まれました(地球環境化学研究室へ改称)。私も幾つかのテーマを一緒に取り組ませていただき楽しませていただきました。また小中学校への出前講座に早くから取り組まれ、地域社会の相談役としても積極的に対応されていました。この間、学科名称が工業化学科から物質工学科へ改組となり専攻科も設置されました。 高専の教員とはいかにあるべきか?という私の大きな疑問に1つの答えを与えてくださった先生であります。
 このように歴代2人の先生のもとで得た経験は、高専の教員としての自身の教育・研究哲学を形成するために大きな礎になりました。そして微生物を利用した研究に重きを置く研究室(応用微生物学研究室へ改称)として現在に至っています。




隔月日記

新入生歓迎会開催!

今年も恒例の新入生歓迎会が4月10日(水)に開催された。今年度から採用の新ブレザーに身を包んだ一年生の姿は輝いていた。これからはじまる高専5年間、勉学はもちろんながら、クラブ活動やさまざまな学校行事も大いに楽しんでいってもらいたい。

さて、昨今の世の中は、なにかと失敗を批判する(きらう)傾向にあるように思う。しかしここにいる皆さんは、失敗することを恐れないで欲しい。入学にあたり、次の2人の著名人の言葉を皆さんに贈ります。

 “本当の失敗とは、失敗から何も学ばない事である”  ヘンリー フォード

 “失敗したことのない人間というのは挑戦した事のない人間である”  アルバート アインシュタイン

北里柴三郎

 20247月に新紙幣が発行される。北里柴三郎は千円札の肖像画として登場する。ところで、高山は北里という苗字の読みは、てっきりきたざと“だと思っていたが、”きたさと“が主流のようである。さて、北里柴三郎といえば、日本の病原微生物学の父であり、多くの名だたる後継者(志賀潔、秦佐八郎、野口英世ら)を輩出している。北里はドイツのコッホ(炭疽菌、結核菌、コレラ菌などの発見者)の下で学び(在留中に破傷風菌の純培養に成功!)、最もコッホに認められた存在でもある。彼の業績を上げれば枚挙にいとまがないが、その一つはペスト菌の発見であろう。ペストは黒死病とも呼ばれ、人類史上何度もパンデミックを起こし多くの人々がその犠牲になってきた。北里は明治27年に香港で蔓延したペストの調査に自ら赴き、そこでペスト菌の発見(コッホの4原則を実証)にいたるのである。ただどういうわけなのか北里はペスト菌のグラム染色判定を陽性であるとして誤ってしまう(陰性であった)。ほぼ同時期に発見を競いあっていたフランスのエルサンは陰性と判定し、紆余曲折の結果、このときエルサンが第一発見者とされた。ただし北里の単離した菌は、間違いなくペスト菌であるということは、フランスのパスツール研究所で確かめられている。紆余曲折の結果、ペスト菌はキタサト・エルサン菌と呼ばれるようになったが、現在はエルシニア・ペスティスと改名されており、北里の面影はまったくなくなってしまった。 

北里柴三郎の座右の銘の一つに「終始一貫」がある。北里の研究精神に深く通じるものがある。(北里柴三郎 感染症と戦いつづけた男,上野明博,青土社 の一読を薦める。)


担任やります

 4月から3年物質工学科の担任を拝命しました。担任をするのは、これで5回目(5学年から引きいだ担任をカウントにいれるならば6回目!!)になります。年齢的に、なんぼなんでも担任をやるには体力的に無理があるのではないかと躊躇しましたが、最後のチャンスと考えお引き受けしました。17歳(3年生)というと、Z世代とよばれる年代に相当するのでしょうか?ちなみにわたしの年代は、バブル世代とか新人類とかいわれました(どうしてそういったのか調べてみてください)。これから担任をする中で、世代ギャップに悩まされるかもしれませんが、それもまた楽しみの一つです。担任をするにあたり、クラスの皆さんにこれから3年間で養って欲しいこと。それが、“自助の精神”です。自ら学び努力する事とても大事なことです。お互いアップデートしていきましょう。3年間よろしくお願いします。


あんかけうどんと母の記憶
 先月末にショートステイにお世話になっていた母が、とうとうコロナに罹ってしまい、緊急入院することになった。ようやく回復したものの、しばらくぶりに面会した母はすっかり痩せこけてしまい、わたしに会っても、いつもの愚痴はいわず、ただ “いたい。いたい。”と繰り返すばかりで、会話にならなかった。どこが痛いのかと思い、体をみてみたら、あちこちに床ずれができてしまっているのと、右手の点滴のあとが、内出血でかなり青くなってしまっている。おまけに抗生剤の投与で大腸炎にかかってしまっている。さぞ苦しいのだろうと思うと、思わず涙が吹き出してしまい15分の面会は鼻水と涙で終わった。小さいころ、わたしが風邪をひくと、おいしい“あんかけうどん:具はショウガとあんのみながら、味は絶品!”できたで-といって食べさせてくれた母親の記憶があざやかによみがえった。もう長くはないのかもしれない。わたしに何ができるのだろうか?そう考えるとまた涙がでた。

アスパルテームは発がん物質なのか?

ノンシュガー甘味料としておなじみのアスパルテーム!低カロリーでありながら強い甘みを持つ。わたしは、マクドはダイエットコーク派だ。アスパルテームとは、L-フェニルアラニンメチルエステルとL-アスパラギン酸がペプチド結合してできたジペプチド化合物である(生化学I)。ところで、アスパルテームは、低カロリーであって砂糖に勝る甘い物質を作ろうとして開発されたものではない。アメリカの製薬会社の研究員だったシュラッターという人物により抗腫瘍薬の合成の副産物として意図せず生みだされたものである。そして偶然が重なり、無意識にアスパルテームが付着した指をシュラッターがなめてしまい、その甘さに気づいたのである。通常なら、化学者として注意不足もいいところで、万が一、アスパルテームが強い毒性を持つものであったら?シュラッターはその場でイチコロ(天国いき!)だったかもしれない。さて、ここで“?”としたのには理由がある。ご存知のように、アスパルテームは、すでに多くの食品に低カロリー甘味料として添加されてきている。それとともにその毒性、特に「発がん性」について議論が巻き起こり世間を騒がせ続けている。この問題に対して、国際がん研究機関(IARC)は、このアスパルテームをグループ2Bに分類している。グループ2Bというのは、「ヒトに対して発がん性がある可能性がある」という評価である。この評価に皆さんはどう思うだろうか?これは大変だ!今をもって、アスパルテーム含有食品は一切口にしません!と切りかえるだろうか?もちろんそれも個人の自由だが、おちついてみると、2Bに同じく該当する他の例として、わらびや漬物がある(結構食べるよね!)。そして、もう一つ重要な判断指標となるのが、許容一日摂取量(ADI:一生毎日摂取したとして健康に悪影響を及ぼさない1日あたりの摂取量である)。日本でのアスパルテームのADI値は、40ミリグラム/体重1kgとされている。毎日かかさず、清涼飲料缶を何十本も飲み干すつわものなら要注意かもしれない。ただ世間にはさまざまな化学物質が満ち溢れており、食品添加物もリストアップすれば枚挙にいとまがない。アスパルテームの発がん性にどこまで神経をとがらせる必要があるのか議論は続く。


カタツムリ粘液接着剤!

 カタツムリのねばねば成分(エピフラム)にヒントを得た接着剤が米国の研究者によって開発されている。YouTubeの画像*で、男性が開発された接着剤を用いて、ぶら下がっている様子をとった動画が閲覧できる。いつも思うが、物質工学科の“ものづくり”というのは、こうしたことだと思う。分子レベルでの材料開発の醍醐味を一人でも多くのみなさんに伝えていきたい。https://www.pnas.org/doi/full/10.1073/pnas.1818534116


リン資源問題

 レアメタルやレアアース問題と日本はほぼ輸入に頼って、この先どうなることかと悩ましいところですよね。そういうニュースで頻繁に話題になっている元素はともかく、ここ十年來問題になってきているのが、リンの枯渇問題である。リンというと、思い浮かぶのは肥料ですよね。つまり、リンの不足は食料生産問題に直結してくるのです。また、リンは半導体などの工業製品にも使用されているのです。リンなんて、鳥の糞(グアノ)に大量にあるやんけ!と思ったら大間違いで、いまや世界のグアノはほぼ採掘されつくされて、限定された国と地域でしか取れないリン鉱石に依存しているのです(そしてその質が落ちてきていることもさりながら、鉱石からリンを抽出する際にカドミウムをはじめとした大量の有害物質が生み出される!)。リンは私たちの生存に必須であることから、日本はリン枯渇問題に真剣に備えておく必要があるのです。都市鉱山からのレアメタル回収技術にあるように、リンも下水処理場や畜産廃棄物、はたまた製鋼スラグからの回収が今、真剣に取り組まれているようです。 



なんでも名前って意味あるんですよ!

コロナワクチンで有名なModerna(モデルナ)社の社名はmodified RNAからの造語である。どうでもよいが、わたしの名前の“勝己”は、両親が初めに“克己”(論語が語源)とつけようとしたが、近所のとある有名な神社(全国的にも由緒ある神社)にいってみてもらったところ、字画がどうのこうのということで“勝己”にかわったそうだ。わたしの場合、読みは“かつみ”なのですが、“かつき”が本来の読み方なのです! ところで、RNAを人体に注入すると免疫システムにより異物と認識され排除されてしまいます。これを抑制するためにカリコ博士とワイスマン博士が、RNAをシュードウリジン修飾することで解決したのです。すごい執念ですよね。ただ実用的ワクチンとして用いるには、他にもクリアしなければならない多くの課題があり、脂質ナノ粒子に修飾したmRNAを封入したことも成功のカギとなったのです。



マルチバース(多元宇宙)理論!

今年も例年のごとく自宅玄関先で育てていたカブト虫の幼虫が6月下旬に大量羽化し、つい最近まで20匹近くを飼育していたが、狭い空間に閉じ込めておくのも忍びなく感じ、自然にかえしてやった。みんな元気に近くの足羽山目指してとびたっていった。さて、話かわっていつものように書籍の紹介をさせていただく。恩師の先生から、面白いからと宇宙物理学に関する本(“なぜ宇宙は存在するのか” 野村泰紀著BLUE BACS講談社)をご紹介頂き、早速購入し読ませていただいた。BLUE BACKSともあって初学者向けのものと思いこみ、気軽な気持ちで読みはじめたが数ページ読んだところで思考がフリーズしてしまった。それでもなんとか読み進めて最後の章にいくと、マルチバース理論(時空では永久に加速膨張を続ける「背景」の中に、無数の泡宇宙が生み出し続けられています。(中略)超弦理論によると、10500かそれ以上に上り、素粒子の種類、質量、(中略)さまざまな性質が異なっているのです。私たちの宇宙は、この無数の泡宇宙の一つに過ぎないわけです。本文p237より一部抜粋)なるものが紹介されている。高校や大学で教わる様々な物理定数の値が、この宇宙の存在(当然ながらわたしたち自身の存在も含めて!)に好都合に決まっているのはなぜ?という疑問に対する合理的な答えとなる有力な理論と解釈したが、わたしには虚しさと、やるせない気持ちだけが残った。みなさんはこの理論をどう考えるだろうか?ぜひ読んでみて欲しい。

ベンジャミン・フランクリン

サンマーク社から出版された「すらすら読める新訳フランクリン自伝」という書籍を読んだ。雷が電気であることを証明するため凧の実験を行い、アメリカ100ドル紙幣の肖像画になっている人物だということだけは知っていたが、彼の生涯や考えがどういうものだったのかということは全く知らなかった。“すらすらよめる”とあるだけあって、ちょっと夜更かしして一晩で読めた。特に印象に残ったのは、彼が掲げた13の徳目である!ベンジャミンが生涯にわたって獲得していった“徳”なのだから、もちろんどれも必須なのだが、13番目にある“謙虚”は、ベンジャミンが最後に掲げた“徳”だけあって、わたしの心にもずっしりと響いた。わたしも日々“謙遜”でありたいと心がけている(願っている)のだが、どうにもこうにもこれが実にならないでいる!!あらためて言い聞かせられた気がした。


エリック・バーン名言 (カナダ出身の精神科医)

「過去と他人は変えられない。あなたが変えられるのは自分と未来だ」         
事あるごとに実に的を得た格言だと思わされる!


2023年卒業式!

317日卒業式が挙行された。3年にわたるコロナの影響もようやく終息を迎えようとしている。日本もいよいよアフターコロナ(それともwithコロナというべきか?)の時代に入ろうとしている。みなさんはそんな中での船出となる。さて、万事がうまいこといっているときは人生バラ色だろうが、これからも長い人生いいことばかりではない!苦難を通るときもあるだろう。そんなとき、「なんでこんな災いが自分にふってくるんだ!」「なんで自分だけがこんな思いをしなければならないんだ」と悲観しないで欲しい。そんなときは、「いま受けている苦難は自分の人生にどんな意味があるのだろうか?」「この苦難を通して自分は何を学ぶことができるだろうか?」と考えて欲しい。艱難の先には必ず希望があると信じて欲しい。


ChatGPT

遅まきながらChatGPTを試してみた。「生命とは何か」とAIに問うてみた。回答(あえて解答としないでおきたい)は、「生命とは、生物が持つ特徴的な性質やプロセスの総体であり、生命現象とも呼ばれます。生命の特徴的な性質には、自己増殖・自己維持・自己修復などがあります。生命現象には、代謝・成長・発生・遺伝などが含まれます。・・・・」ときたー。なかなか優秀じゃないか!これを、試しにそのままペーストしてGoogle翻訳にかけると(最初から英語でGPTに問いかければよいのですが)、「Life is the totality of characteristic properties and processes of living things, and is also called a biological phenomenon. Characteristic properties of life include self-proliferation, self-maintenance, and self-repair. Life phenomena include metabolism, growth, development, and heredity.」とでる。もうお気づきだと思うが、そう!うまく使いこなせば、日本語も英語のレポートもAIが作ってくれる時代となりつつある。教員も予想外の学生の質問がでても、あたりさわりない受け答えができる。びっくりだ。さて本当にこれでよいのだろうか?ChatGPTの回答は、常人では網羅できない膨大なデータベースに基づいて生み出されるものなのだろうが、もちろん正しくない情報が含まれてしまう可能性はある。その誤りを見極める能力が使用者側あることが大前提である。本来は、自分で必要な情報を収集でき、正しいものであるかを吟味でき、取得した知識を知恵へと昇華させていく能力を養うことが大切なのである。便利なものを使うなというわけではないが、学生もさることながら、教育者はこのことをしっかり認識し、学生を教え導かねばならない。だから学び続けなければならない。     話はかわるが、AIが不特定多数の膨大なデータベースを駆使して、巧妙な演説をしたとして、人は果たしてその演説に心打たれるだろうか?魂にふれる演説とは、その人の人生の実体験に基づいたものから生み出されるものではないのだろうか?AIの作った人工物に人が惑わされることがあってはならない。古いといわれてもいい!わたしはそう思うし、AIは活用すべきだが、AIは人ではないし、人にはなれない。皆さんはいかが考えるだろうか?


くにみクラゲ公民館

旧国見町公民館に、くらげをテーマにした小さな水族館ができた事をご存じだろうか?昨年春にオープンしていたとのこと。息子の小学校に、館長さんが来訪し、クラゲの講話をされたことからその所在を知り、早速、家族で訪問した次第である。1Fに日本沿岸に生息するクラゲが何種類か飼育されており、その説明がある。クラゲが幻想的なライトアップを受けながら水槽の中で水流にのって揺られている。特にウリクラゲが発する虹色の波打つ輝きに、しばらくの間見とれてしまった。ところで、この光は自ら発光しているのではなく、このクラゲがもつ8本の櫛板の列による光の反射によって生み出されているとのこと。有名なオワンクラゲの蛍光にあるように、ひかるクラゲは発光によるものと思い込んでいた自分を深く反省した。観察と説明を、人込みにおされることなく、時間におわれることなく、じっくり対比して読むことができたおかげで気づくことができたのである(いいなーという感じ)。別の展示もあり、ちょうどカニのコーナーが開かれていた。地元の漁師さんが捕まえてもってこられたという“モクズがに”が展示されていた(もちろん他多数!)。また、本日はオオグソクムシ入荷ということで、入り口のところに、バケツに入った状態で置かれていて、なんと直接タッチできた。グソクムシという名前の由来は、まさに戦国武将の甲冑の具足に似ているからだという。戦国ファンの私にとって、なるほどうなずけるネーミングであった。みなさんも一度訪問してみてはいかがだろうか?

 オオグソクムシ

 ミズクラゲ


専攻科発表報告会

1月2425日と両日に専攻科生による研究報告会が実施された。大雪に見舞われ、実施が危ぶまれたが、Teamsも併用してなんとか開催できた。発表を聞いていて思ったのは、専攻科生が本科(5年生卒研発表)の時に比べて自信に満ち溢れ、教員からの質問にも決して臆さず、明確に受け答えできるまでに成長していたことになんだか嬉しく思った。1年生については、来年にむけさらなる飛躍が楽しみである。

ハンス・クリスティアン・エルステッド

電磁気学の基礎を築いたエルステッド(デンマークの物理学者:1777年生〜1851年没)は、彼の講義実験の中で、電流がコンパスの磁針に影響を及ぼすことを発見した。通常、我々が学生実験を指導するときは、ほぼ結果がどうなるかすでにわかっているテーマを学生に実習させている。ところが、これはそんな日常の講義実験の中での大発見である。自然はときにその秘められた真理のベールをそっと開くときがある。その好機を、多くの人は見逃してしまうが、エルステッドの鋭い洞察力が見抜いたのである。多くの大発見はこれに似ている。うーんすばらしい!


基礎研究の大切さ(大発見はすぐには実用化できないもの!)

ファラデーとヘンリーは電磁誘導の発見者である。この発見からおよそ半世紀後に、交流発電機の開発者であるニコラ・テスラとジョージ・ウエスティングハウスは交流送電システムを実用化し町に明かりを灯した(なお直流送電システムの開発者であるエジソンとの戦いの映画(エジソンズ・ゲーム)もあるので鑑賞を薦める)。相対性理論で有名なアインシュタインは光電効果の理論(論文:光の発生と変換に関する1つの発見的な見地について:1905年)を発表し、この業績によりノーベル賞を受賞した。金属に光があたると表面から電子が飛び出してくる現象に対する理論である(光は粒子でもある)。これは、太陽電池の原理となり、時を経て、今や再生可能エネルギーの代表格である。基礎研究の重要性を示すいい例ですね。


2023年の抱負

 「柔らかな答えは憤りを静める。しかし激しいことばは怒りを引き起こす。」と聖書の箴言15-1にある。様々な場面で、自分が知らぬ間に頑なになっていっているのにふと気づかされることがある。今年はこの言葉をしっかり胸に秘めていきたいと思う。

シュレーデインガー名語録!

The task is, not so much to see what no one has seen yet; but to think what nobody has thought yet, about what everybody sees.

というのがある。「大事なのは、まだ誰も見ていないものを見ることではなく、誰もが見ていることについて、誰も考えたことのないことを考えることだ。」と訳される。 考えさせられるなー。

2023年最初のお薦め本

 またまた物理関係の書籍ですが、「14歳のための宇宙授業」,佐治晴夫著を年末・年始にかけて読みました。相対性理論と量子論について、中学生レベルという事で、物語風に書かれている。とはいっても、ボーと読めるものではなく、なかなか高レベルであり、巻末にある参考ノートもあわせて読めば高校レベルはあると思う。興味を持った学生さんはぜひ読んで欲しい。物理からは外れるが、佐治先生が本文に書かれている「“教える”ということは希望を語ること、“学ぶ”ということは真理(まこと)を胸に刻むこと」とかかれているところに、教育者として深く感銘を受けた。


水分子1個は観察できる?

 喉が渇いたので水道水をコップに汲んで飲んだ。その後でふと考えた。コップ1杯(180cc)の水には、およそ1024乗個の水分子が存在している。実に膨大な数だ!日本の人口過密どころの次元ではない。私たちはそんな分子の世界は普段は意識していない。さて、そんな水分子1個を観察できる技術はあるのだろうか?と何気なく思いネット検索してみた。東京大学 生産技術研究所(東大生研)の研究チームが、C60分子内に水分子1個閉じ込めて、その回転運動を観察したという報告が論文誌にあったNano Lett. 2021, 21, 24, 10346-10353)。 様々な分野で一分子計測が話題になって久しいが、それにしても自分はホットな時代に生きているんだなと嬉しくなった。

クリックケミストリー(Click Chemistry)&生体直行化学でノーベル化学賞!

 キャロライン・ベルトッツイ、モルテン・メルダール、バリー・シャープレスの3人の博士は、 2022年度のノーベル化学賞受賞者である。シャープレス博士に至っては、2回目の受賞であり、1回目は日本の野依博士との不斉触媒開発における共同受賞である。従来の化学合成は多段階の行程を要したり、多くの副生成物が生じたり、高温高圧といった過酷な条件を必要とする場合が多かったりするものなのであるが、こうした問題をクリアした合成法がクリックケミストリーである。車のシートベルトを“カチッ”とはめるように、分子と分子をつなぎ合わせる方法である。代表例としては、アルキンとアジドの結合反応がある。両者は銅触媒の存在下において、水溶媒中、室温で、余計な副反応物も生じることなく進行させることができる。この研究の先駆けとして貢献したのがメルダール博士とシャープレス博士であり、今や新素材や新薬の開発にどんどん導入されている。そして、このクリックケミストリーの技術を、生命科学領域まで拡大させたのがベルトッツイ博士である。細胞の表面にアジドを末端に持った糖鎖を発現させ、クリックケミストリーの反応を利用して、緑色蛍光分子で表面を修飾した研究報告は見事としかいいようがない(Proc. Natl. Acad. Sci USA(2007)104, 16793-16797)。これこそ化学と生物に基盤を置く物質工学科の醍醐味といっても過言ではないだろう!


442年ぶりの天体ショー

11月8日は442年ぶりの一大天体イベント(皆既月食と天王星食のダブルイベントなり)だった。息子に無理やり外に出されて、一緒に夜空を眺めた(眺め続けた)。少しずつ月がかけはじめついに皆既月食となった。そのタイミングで、今度は小さな天王星が月に隠れるというものだったが、そこのところは肉眼では観測不可能だった(根本的に家の周辺が夜霧に包まれ月がどこにあるのかわからなくなってしまった!)。そこで天王星食の観測はというと?実は、Web配信画像をみて“ずる”をした。大きなほっぺの後ろに、小さなゴマが隠れていくそんな感じだねと息子と語り合った。望遠鏡購入したいなという誘惑が私を襲っている。



少しかけ始めたところ


マリモはなぜ球化するのか?

マリモはアオサ藻綱シオグサ目に属する藻類である。北海道の阿寒湖に生息している国の特別天然記念物である。このマリモが球化するのになんと微生物が一役かっていることがわかっている。ところで、球化する藻としては、阿寒湖のマリモの巨大さには及ばないが他の地域でも見つかっているようで、例えば奥飛騨丸藻(マルモ)という商品が売られているようだ。実はわたしも福井県の若狭湾で取得した小さいながらも球化する藻を見つけた。現在、これをなにかに使えないか模索中なのである。


マリモに遠く及ばない数ミリ程度の球状ですが!


もしもっぺんやり直せるなら物理か?

本棚を整理していたら、10年くらい前に読んだ本が片隅からでてきた。多田将先生が書かれた イースト・プレス出版からの「すごい実験」である。茨木県の東海村にあるJ-PARCという名称のついている高エネルギー加速器を紹介した本である。当時、この本を手に取ったとき、著者である多田先生の風貌に高山は衝撃を受けた記憶がある。今になってもそのヘアースタイルを維持されているのか興味あるところである。この本はJ-PARKの紹介はもちろんなのだが、素粒子物理学のこれまでの流れがわかりやすく書かれていてありがたい。サブタイトルに“高校生にもわかる素粒子物理の最前線”とあるが、出版から10年以上経過しているので、その後の進展は反映されていないがそれでも一読をお勧めする。実は、高山は中学生の時は、将来は物理をやりたいと思っていた。叔父が“核融合に関わる研究をしていたので、その面白さを情熱的に語ってくれたことが大きかったと思う。ところが結果は今ある通りで、高専の物質工学科で”微生物“の研究をやっている。目に見えないものを対象としていることに違いはないが、大きさの桁が違うし、アプローチの方法も異なる。人生の岐路での選択とは不思議なものであり、その時興味があったからというだけですまないものだ。ただ、もしもう一回やり直せるとしたらどうする?と聞かれたら・・・・・。それでも私は物理ではなく生物をとると思う。理由は?と聞かれても、それは自分の性格に合っていると感じるとしか言いようがない。



サーバント リーダーシップ!

 先日、高山が指導させていただいた専攻科卒業生が共同研究のことで訪ねてきた。自身が取り組んでいる課題について資料を用いて説明してくれたのだが、そのプレゼンの資料が実によくできていた。卒業してまだ数年での、著しい成長に自分の事のように嬉かった。さて、この日記を読んで頂いている学生?の皆さんにとっては、まだまだ先のことになるでしょうが、いつかそれぞれ置かれた場所で、リーダーとして活躍する時が来るでしょう(そうなることを期待しています)。その時になったら(あるいは備えるために)、ぜひ読んでおいて欲しい書籍があります。

〇 サーバント リーダーシップ入門,池田守男,金井壽宏著,かんき出版

です。 サーバント・・・・なんだそれ!と思われる人は多いでしょう。 サーバント・リーダーシップの定義は、
 リーダーである人は、「まず相手に奉仕し、その後相手を導くものであれ」ということにあります(本書p66から抜粋)。サーバントたれ!といっても、リーダーに単なる召使いになれという意味ではありません。リーダーが確固たる使命感とビジョンをもって公に尽くせば、やがてそれに共感するフォロワーが集まってくるということかと。。興味をもったら、ぜひ一読をお薦めします。 この考えを教育機関(高専)に適用すれば、企業でいう顧客第一は、学生(地域)最優先に置き換わる(高専は学生のため、地域のためにある)。ちょうど10年前に、この本で学んだつもり(目を開かされた)が、すっかり本棚の奥に隠れてしまっていた(つまり読んだだけ!!)。今、再び学び直したところで、改めて自戒している次第です。


化学で何ができるようになるの?

 中学生のみなさんは高専受験にあたり、どの学科を選択すべきか考えるときに、物質工学科(化学)って具体的にどんな分野なの?と疑問に思うことでしょう。そんな時に、一読をお勧めしたいのが次の本である。ぜひとも参考にしていただけたらと思う。

〇 化学で「透明人間」になれますか?人類の夢をかなえる最新研究15、佐藤健太郎、光文社新書



五山の送り火

 今年は3年ぶりに京都では五山の送り火が再開となった。鴨川のほとりで、幼いころに祖母に、なぜ東山(如意ケ嶽)は山火事にならないのと聞いたのが、ついこの間の出来事に思えてならない。火床と呼ばれるものを使っているわけで、直接、山の木を燃やしているわけではないということをその時知った。その祖母は他界して久しい。生とはなんなのか?人がなくなる度に考えさせられる。

植物と昆虫の学び

夏休みに息子と親子植物教室「植物と昆虫のふしぎ」に参加した。講師は東京大学の川北篤先生だった。講義と実習の2時間弱の教室だったが、特に印象に残った内容が、植物の「自切(じせつ)」という現象だった。植物の葉が、病原菌に感染したときに、その感染した部分を自ら切り落とす現象だという。とかげに代表される尻尾切りは知っていたが、なんと植物にもそのような仕組みがあろうなどとはわたしには衝撃であった(もちろん主題である花の色と昆虫の関係のお話しも大変興味深かった)。小学生対象の勉強会であったが、知らない事ばかりで、ますます自然が好きになった。それから、あのイチョウの精子を発見した平瀬作五郎先生が福井県出身であることを教わった。知らない事ばかりで、お恥ずかしい限りである。平瀬作五郎先生は、植物学者であり、画家(用器画法) でもあったということで、本当に昔の偉人は多才であったのだと痛感した。
 最近わたしが読んだ植物関係の本で面白かったものを列記します。

1) 葉っぱはなぜこんな形なのか?、林将之著、講談社
2) 植物はそこまで知っている、ダニエル・チャモビッツ著、河出書房新社
3) 植物は<知性>をもっている、ステファノ・マンクーゾ&アレッサンドラヴィオラ、NHK出版


合成生物学!

「自分で作れないものを、私は理解していない」とは、リチャード・ファイマンの言葉である。人類は、偉大な生物学者達の努力の蓄積により、生物のもつ素晴らしい“しくみ”を知ることができます。今のところ、どんな偉大な科学者が集まっても、生命そのものを生み出すことはできませんが、21世紀になって少し様子が変わってきたようです。合成生物学の登場です。

合成生物学の目標の一つは、科学者が設計した通りの性質を持った人工生物を生み出すことにあるといっても過言ではありません。合成生物学の原動力は、ゲノム計画により21世紀初頭に、ヒトDNAの30億塩基が明らかになったこと(PCR、塩基配列解析法など遺伝子組変え関連技術の進歩が支えた)、また長鎖DNA合成技術とCRISPER-Cas9に代表されるゲノム編集技術等が近年確立されたことにあります。そして、DNAを読むだけではなく、いよいよヒトのDNAもその気になれば近い将来合成可能であり(アメリカでは関係の研究プロジェクトが進行している!)、加えてコンピュータを駆使して科学者が意図する形質を持つように遺伝情報設計することも可能なのです。

ところで、この段階までであれば、DNA分子の合成ということになりますが、合成したDNAをヒトの卵子に導入したら・・・・。と考えると、合成生物学の究極的な進展が導くであろう光と影(闇?)が見えてくる。私自身がこの研究に携わることはないが、こうした研究の原理やその波及効果は想像できる。物質工学科で5年間学んだ学生であれば、もちろん理解できるようになる。21世紀は生命科学がますます私たちの生活に利用される時代となることは間違いなさそうだ。とりわけ合成生物学は、人間社会を劇的に変えることになるだろう。ただし、その発展がもたらす結果が、いいこと尽くしとなるかどうかは疑わしい。扱いを間違えば、後に戻れない悲惨な結果を招くのではないだろうか。どこまでなら研究として認められるのか?決して越えてはならない一線をいったいどこに引くべきなのか?その一線は、何に基づいてきめるのか?これからの21世紀を生きる、ひとりひとりが真剣に考えなければならない問題ではないだろうか?

最後に、話変わりますが、今公開中の映画ジュラシック・ワールドに登場する超巨大バッタ(素朴な疑問:現在の地球大気の21%酸素濃度では生存無理では?)は、T−rexをはじめとするやたら凶暴な恐竜たちよりもずっと恐ろしく感じたのは私だけだろうか?人類の夢の実現であるとか、恐竜と人間の共存は可能であるとする主張には疑問を感じた。一度絶滅した(自然現象)ものを蘇らせることは人間のエゴに思えてならない。(あくまで私見ですのでご容赦ください。)

合成生物学について知るお薦めの本
 
合成生物学,ジェイミー・A・デイヴィス著,ニュートン新書
 バイオビルダー 合成生物学をはじめよう,ナタリー・クルデルら 著,オライリー・ジャパン

師の言葉の重み

 わたしのこれまでの人生をあらためて振り返ってみると、重要な岐路のところでは、いつもすばらしい師の存在があった。いまでも恩師からいただく言葉は重く、その言葉に涙がこぼれる。そして、その言葉の中にあらためて気づかされることがある。まだまだ自分は未熟だなと反省させられる次第である。人との出会いを皆さんもぜひ大事にして自らの成長に繋げて欲しい。
            「夢なき者に成功なし」とは吉田松陰の言葉である。



温暖化問題

何年か前から専攻科で「地球環境」という教科を担当している。私自身は、専門家でもなんでもないので、自分自身も毎年講義の都度、スポットをあてる環境問題に関する情報を集め、学びながら教壇にたっている。さて、地球温暖化問題がクローズアップされて久しい。この問題が指摘された当初のころから、科学者間で賛否にわかれ激しく議論されてきた。特に二酸化炭素の大気濃度の増加が原因であるとすることに対する議論は、いまだに続いているように思う。さまざまな情報を簡単にインターネット経由で入手できる時代なのだから、他者の意見を鵜のみにするのではなく、まず自分で調べて吟味することが大切だと思うが、やはり最も信頼できるのはIPCCの報告書ではないかと私は思っている。IPCCが、二酸化炭素が温暖化の大きな一因であるとする根拠が気候モデルを用いたシュミレーションである。     2011年のノーベル賞が真鍋淑郎先生(「複雑な物理システムの理解への貢献」ということで、いささかわかりにくい言い回しだが、地球気候の物理モデルの構築と地球温暖化等への予測に関する業績が評価されたという事)に授与されたことは、まさに時宜にかなったものだと思う。真鍋先生の研究の要点は、先生の著書である「Beyond Global Warming」、邦訳版として講談社ブルーバックスから出版されている「地球温暖化はなぜ起こるのか」で知れるのでまずは一読を薦める。


我が学科のアドミッションポリシー!                             〜化学と生物の力により人々の健やかな生活に貢献したい人〜 

 最近知ったのですがみなさんは「好適環境水」なるものをご存じでしょうか?岡山理科大の山本俊政先生という方が、長年の研究の成果により、さまざまな淡水魚、海水魚そしてエビなどを養殖できる第三の水を開発され、山間部における魚の養殖を可能にしたというすぐれものです。カクレクマノミとキンギョが同じ水槽で泳いでいる映像(YouTube)はびっくりです。ナトリウム、カリウム、カルシウムを主成分としているようで、これにpH調整剤やその他の成分を養殖対象によって必要に応じてプラスしたもので、「好適環境水」と山本先生が命名されたもの。既に国内特許も取得されています。この水を使用することの利点の一つに養殖魚の細菌感染問題を回避できることであり、使用後の水(魚の排せつ物により窒素やリンが含まれている)も捨ててしまう(捨てられない)のではなく、畑から取得した微生物で処理するか植物工場用の水(N,Pは植物の成長必須成分)として再利用します。後者の場合、海から遠く離れた山間部で、完全環境制御型の漁業(養殖)と農業(植物工業)を両立できるという事。この研究・技術の概要は、山本先生の書籍「宇宙マグロのすしを食べる」をお読みいただきたい。 山本先生の研究は、いわば化学と生物の両分野に基礎を置かれたものであり、わが物質工学科のアドミッションポリシーの一番目に掲げた「化学と生物の力により人々の健やかな生活に貢献する」にマッチする一例といえるのではないでしょうか。


物質工学科の醍醐味って何だろう?

 アクアポリンは細胞膜に埋まっている水チャネルである。水分子のみを選択的に細胞内に取り込む機能を担っています。ピーター・アグレという研究者が発見し、この功績により2003年にノーベル化学賞を受賞しました。そして、どのようにして水分子がアクアポリンを通っていくのかも解明されています。ここまでは純粋なサイエンスの領域といえるでしょう。ところで、このアクアポリンを用いた水浄化膜が既に開発されています。アクアポリンを脂質二重膜でできた球体粒子表面上に多数固定し、さらにこの粒子をある高分子ポリマー膜に分散させ、さらに機械的強度に耐えるように工夫したものがその一例です。生体分子の機能を水浄化の技術(テクノロジー)へと見事に飛躍させたわけです。この浄化膜のしくみは、実に見事なものなので興味を持った人は、ぜひネット等で調べてみて欲しい。さて、わたしたちの物質工学科は、生物と化学を基盤とする学科です。本事例は、まさに我々の分野の研究と技術の一例といえるでしょう。21世紀は、ますます生物学、化学そして工学の融合化が進む時代となるでしょう。生物や化学を専攻する者の醍醐味といえるのではないでしょうか(わたしはそう思っています)! 


 今こそ願う事

最近、本当に悲しいことが多く起こります。こうした時代にこそ、我々を導くリーダーの役割は重要ですね。

“そこで、まず初めに、このことを勧めます。すべての人のために、また王とすべての高い地位にある人たちのために願い、祈り、とりなし、感謝をささげられるようにしなさい。それは、私たちが敬虔に、また、威厳をもって、平安で静かな一生を過ごすためです。”
第一テモテ 二章 12  聖書より引用

京都タワー といえば タワー浴場!

京都タワーって世界一高い無鉄骨建築(ギネス認定)だってことご存じでしたでしょうか?モノコック構造といって鉄骨を使用していないのです。飛行機や船と同じ構造ですね。1964年に開業し(私が生まれる2年前!)、赤と白の独特の京都らしいカラー。その丸みを帯びたフォルムは京都駅前のシンボル。その高さ131メートル。実はこの数字は、当時の京都市民の人口と同じ。ところで、この京都タワー地下には大浴場があったのですが、ついに店じまいになったとのこと。実に残念です。子供のころ母親につれられて、ちょくちょくつかりに行ったのがついこの間のようです。2012年に一度リニューアルしていたそうですが、ついに終わってしまったようで、もう一回いっておけばよかったと後悔しています。

MRI検査受けてきました!

MRI検査受けたことありますでしょうか?ちくわのような狭い筒のなかに送り込まれて、数十分間、ガチャンガチャンと大ノイズの響き渡る狭い空間にベルトで縛られてじっとさせられます。いまに壊れるんじゃないのか!この音なんとかならんのかと思いますが、技術改良の余地ありやね!といった次元の問題ではなく、物理現象(フレミングの左手の法則によるローレンツ力)につきどうしようもない。さて、このすばらしいMRI装置。誰が開発したのかというと、アイデアはダマディアン、装置として初めて実現したのがローターバー、そして人体撮影における実用レベルにまで押し上げたのがマンスフィールドという研究者なのです。そしてこの偉大な発明に対して、ノーベル賞はローターバーとマンスフィールドとなりました。ちなみにノーベル賞は3人まで受賞できるので、ダマディアンがどうして選ばれなかったのか?という疑問がわくのですが奇妙なお話しですね。

ペニシリンの発見者フレミング!

アレクサンダー・フレミングはペニシリンの発見者です。子供のころの話ですが、わたしが風邪をひいて熱をだすと、祖母は真顔で母に、“はよう病院つれてって、注射(ペニシリン)打ってもらってきいや!”とよくいわれていました(効くわけないのですが!効くもんやと信じていました)。 さて、フレミングは実験で用いたブドウ球菌を培養していたシャーレを流しに放置したことで、空中をただよっていたカビがシャーレに入り、カビがつくる物質が細菌の増殖を阻害していることに気づいたのです。そして、このカビがつくる物質が殺菌剤になりうる可能性を1929年に論文で発表したのです。ただし、この発見は、フロリーとチェインが有効成分としてペニシリンを分離・精製するまで、しばらくの間眠ってしまいます。ということで、この偉大なる発見(抗生物質開発の開花)に対するノーベル賞は、めでたくフレミング、フロリ―、チェインの3名に授与されました。このストーリーについて、みなさんはどう思いますか? “なんや。フレミングは、ほったらかしたシャーレからたまたま大当たりを得ただけやんけ” と思ったらそれは大間違いです。彼の鋭い洞察力こそ研究者には必要な素質なんです。フレミングはこのほかに、リゾチームの発見にもよく似たストーリーがあります。細菌培養中に、うかつにもクシャミをしてしまい、彼の鼻汁がシャーレに入り、あとで溶菌が起こっていることを発見したことがきっかけだとか。微生物研究をこよなく愛し、楽しんでいたというフレミング。わたしもフレミングにあやかりたいもんです。


カブト虫が羽化しました!

6月30日早朝。今年もカブト虫、第一号が羽化しました。梅雨明けが早く、猛暑のためか、今年は例年より2週間程度はやいようです。我が家の幼虫飼育箱には30匹程度生育していたはずだから・・・。今年の羽化率は、どの程度になるか楽しみだ。小学6年生になった息子の関心は、少し薄れつつあるのに対し、自分は興味津々、毎朝、様子をチェックしています。この夏もゼリー代半端ないだろうなと思いつつ。

レオンハルト・オイラー

オイラーは数学者の王者といわれている大人物です。あの大物理学者のファイマンをもうならせたオイラーの公式(eix = cos x + i sin x)に始まり、オイラーの等式(e + 10)には究極の美しさがあるという!正直、残念ながら、わたしには美しいと感じる感性が備わっていませんが・・・・。実は、最近、時間のある時に、高校の数学を復習しています。ゆったりと、時間に追われることなく、気ままにやってると(かつては試験に追われて強いられていた!)、少しだけなのですが、数学の面白さを感じるようになってきました。いつまで続くやら。

赦し = 心の平安 = 健康

皆さんは日常生活の中で悔しい思いをしたことはありませんか?どう考えても納得できないという込み上げる思いですね。私は数えきれないくらいあります。でもそういう思いをずっと引っ張っていると、不健康になり、いつまでも心に平安が得られないのです。常に思い煩って元気が出ないのです。損ですよね!簡単ではないのですが “赦し”というのは大きな人生のテーマです。


小説家 三浦綾子100周年ですよ。
今年は三浦綾子さん(クリスチャン作家)生誕100周年にあたる。三浦さんは朝日新聞社の懸賞小説に入選した「氷点」がデビュー作である。三浦さんの作品は80を超え、私はその中の数冊しか読んでいないのですが、現段階でわたしが最も感動した(涙で溢れかえった)のは「塩狩峠」である。まさに究極の愛(アガペー、自己犠牲)が小説のテーマになっている。三浦さんの小説はいずれもキリスト教の教えが土台となっている。この機会にぜひ一読をお薦めする。もう一冊、小説ではないのだが晩年になって出版された「明日のあなたへ」は、三浦綾子さんの回顧録であり、これもクリスチャンとして歩まれた三浦さんの人生観が伝わるものであり、心にずしんと訴えかけるものがあり、“すばらしい”の一言に尽きる。

お薦めの本

 今回紹介したいのは、集英社新書から出版されている「原子の力を解放せよ」と、早川書房から出版のカズオ・イシグロ(2017年ノーベル文学賞受賞作家)による「わたしを離さないで」(原題:Never Let Me Go)の2冊である。いずれも映画化されているが、映画はすべてを描き切っていないので書籍をまず読むことを薦める。
 前者は第二次大戦下の日本の原子核物理学の権威であった荒勝文策とその学生たちの通称「F研究」に関する実話である。この研究が原子爆弾の開発を真に意図して行われていたものなのか、純粋な原子エネルギー有効利用を目指して行われていたものかは読者の判断によるのだと思う。そして、もう一つ福井高専として知っておいて欲しいのは、この荒勝教授の意志を継がれたのが木村毅一先生であり、最後の赴任地として本校の初代校長をされた方なのである。図書館には木村先生が書かれた「アトムのひとりごと」という書籍があるのでぜひ借りて読んで欲しい。
 次に、後者であるが、クローン人間が人権もなく、ただただ臓器ドナーとして利用されつづけるというなんとも恐ろしい(ストーリーの最後まで希望が見えない)お話しなのである。最初わたしにはイシグロ氏がなぜ小説の時代背景を、生命科学が花開いたばかりの20世紀後半あたりに設定したのか不思議に感じた。しかしじっくり読んでいると、むしろノスタルジックな雰囲気がこの分野の発展に隠れている危険性を警鐘するのに効果的に働いていている。21世紀になりiPS細胞,ゲノム編集,遺伝子ドライブといった科学・技術が生まれたことで、今後どんな社会になっていくのだろうかと深く考えさせられる一冊である。人はだれもが少しでも長く生きたいと考える。でも肉体の死は必ず訪れる


やっと妻と一緒に帰省しました!
 本当に久しぶりに妻と息子とともに京都と兵庫にいってきました。 最近、息子が幕末史にはまって
いて、ちょうど良かれと思い二条城から壬生界隈を歩いてきました。京都の町をあるいて、思わず母親と一緒に歩いた自分の子供時代と重なりました。あのころは京都の町には、けっこう縦横に市電が走り回っていました。その母親はいまはすっかり腰を痛めて自由がききません。まるたけえびす歌や月はおぼろに東山〜と母はよくうたっていました。すこし郷愁にふけりました(すみません)。翌日、伏見の寺田屋まで足を伸ばしました。桜が満開ちかくなってました。3日目は妻の実家に移動し、近所の甲子園で、ちょうど近江と大阪桐蔭の試合を観戦してきました。それにしても若いっていいね。福井高専もいつか甲子園出場できるといいですね。


二条城:将軍の気持ちになって入城!


八木邸: 新選組の屯所として使われた邸宅です。
芹沢鴨が暗殺された場所であり、丁寧なお話しが聞けます!
八木家は、なんと越前朝倉家に繋がるとのこと。家紋をよく見てください。
朝倉遺跡の建物にあるやつと同じなんですよ。びっくりですね。
とても勉強になりました。



これが寺田屋です。ながいこといたのに始めて見学しました。


これが竜馬が襲われた夜にお龍(りょう)さんがはいってたお風呂です。


桜が咲いてました。十石船とのコントラストが映えます。


伏見は京都の酒蔵!ここは月桂冠です。酒造りにかかせない
伏見の地下水(伏水)がとれるのです。この水は鉄分が少なくカリウムと
カルシウムを適度に含んでいるのです。伏見にいったら大倉記念館に
ぜひ立ち寄ってみてください。



大阪桐蔭半端ないよ。いつの日か福井高専も!

ゴルフボールにはなぜ凸凹があるの?

 ゴルフボールの表面にあるデインプルの役割は、ボールが正確に真っすぐ飛ぶようにすることと、よりよく飛ぶようにするためにある。デインプルがないと、飛距離は半分くらいになるそうだ。ところで、ここからが大事なお話し。このゴルフボールの凸凹を、人間形成にあてはめて考えてみるとよい。人の人格成長は、その人の成功経験を通してというよりも、むしろ辛い経験(苦難や艱難)を克服した時に起こるのではないだろうか?ゴルフボールが人とするなら、何も問題なく成功ばかりで歩んできたつるつるのボール人間より、苦難や艱難によって、たくさんの凸凹を持ったデインプルボール人間の方が、成長を遂げ、高い品性を持っている。そういう人は、何よりも人の痛みがわかるから。実は、このたとえ話は、わたしがある牧師先生から受けた講話の一部である。

 この1月の中旬にわたしは、人生ではじめて長期入院を余儀なくされました。初めの一週間は高熱が続き、一度は、自分はもう死ぬのではないかと思うような状態にまでなりました。 幸い回復することができ、今は療養期間となっています。この入院生活で、私は学んだことがあります。それは、多くの方が、コロナ規制の中で、自身がコロナに罹患しているそうでないにかかわらず、全ての入院患者が家族に会えない状況に置かれているということでした。場合によっては想像もつかない病気との戦いの中で、孤独を強いられ恐怖の中に置かれている方が大勢おられるということでした。

人は病に苦しんでいる時にこそ、より沿ってくれる家族(心を許せる人)が恋しくなるものです。それが叶えられない辛さを、身をもって体験しました。別の病気に罹って、カーテン一枚だけ挟んで、隣のベッドで伏しておられた全く見ず知らずの方のために、私は心からその方の回復を祈ることができたのです。この一時だけのことかもしれないけれど、私がその方の回復のために心から祈れた事。そういう自分に変えてくださった恵みに感謝でした。

今回の入院を通して、艱難を喜びとせよ“。という聖書の御言葉を思い出しました。もちろん艱難そのものは喜べない。でもそこを通して得られるもの(変化)が大きいのである。だから喜べなのである。YouTubeで見ることができますが、レーナ・マリアさんというスウェーデンのクリスチャンの方がいます。この方が歌っている聖霊にみたされて”という曲(山本さんという方が作詞・作曲)を偶然に聞いたとき、自身の心境にぴったりと重なり、涙で溢れかえりました。

今、こうして生かされていること、それだけで十分感謝であると。皆さんもじっくり自分自身と向かい合って欲しい。人生において心が折れそうになるような、苦難や理不尽なことに襲われることがしばしばあるでしょう。この世は試練や苦難で満ち溢れていて、もう絶望的にしか思えないこともあるでしょう。でもそれは、本当に乗り越えられないような試練だろうか?考えて欲しい。あなたは高価で尊い存在なのだから。

カタリン・カリコ氏
 mRNAワクチンの開発者であるカタリン・カリコ氏。ペンシルベニア大学客員教授であり、ドイツのバイオベンチャー・ビオンテック社の上級副社長をつとめている。mRNAを体内に注入すると激しい炎症が起こるために医療手段として用いれないという問題に、果敢に挑み続け、ついにmRNAの合成原料であるウリジンをシュードウリジンに置き換えることに到達し、「Kariko-Weissman tequnique]と称して2012年に特許化していた。これにより、炎症が抑制され、タンパク質の生産量も飛躍的に増やすことに成功したのである。あたかも短期間でワクチン開発に成功したかにみえるが実はそうではないのだ。

アゲハ蝶の羽化
 自宅の玄関先に置いてある鉢植えのレモンの樹にアゲハが産卵しました。その一つを息子と一緒に採取して育てていました。成長の記録をご覧ください。タイムラプスで撮影しとけばよかったと後悔しています。こうした昆虫の変態を見ていると、生命の神秘を感じる。こうした仕組みは本当に偶然と進化の産物なのだろうか?


葉っぱの上に小さな球状の卵を見つけました。
8/30日


3〜4齢くらいかな
9/1日


5齢幼虫 めちゃめちゃ糞をします。糞に生息する
微生物でも調べてみたい気分になりました。
9/11日


蛹になろうとしてます
9/14日



もうすぐ羽化しそう!しばらく放置してしまいました!
9/25日


残念!蛹からでてくるところがみたかった!
でも美しい!。このあと元気に大空へと巣立っていきました。
9/26日の早朝のことでした。

宇宙誕生のシナリオって?
 佐藤勝彦先生著書の”眠れなくなる宇宙のはなし”という本読んだ(昔購入した書籍であり再読した)。ところが、宇宙誕生のシナリオの辺りで思考がフリーズしてしまった、無からの宇宙創造に始まり、インフレーション膨張がありと、どうにも最初の所からピンとこない!初心者というか一般向けに書いていただいたもののなのでしょうが、わたしの貧弱な頭にしっくりこない。ということで関連の本を幾つか読んでみようと思う。もし、学生さんでこの問題について精通している人がいるなら、ぜひ高山に教えていただきたい(物質棟新棟3Fでお待ちしています)。


体育祭
 9月28日に体育祭が開催された。コロナ下でもあり、例年に比べかなり縮小されたが、各種リレー、玉入れ、そして応援合戦があった。わたしは、審査委員としてはじめてテント下の特等席で見学させてもらった。正統派硬派スタイルの応援団、ジョーク満載の応援団と楽しませてもらった。応援リーダーの着衣の背中に「天上天下唯我独尊」と書かれていたのが特に印象に残った。これは釈迦の言葉で、我々人間の命には差別はなく、皆等しく尊いんだよという意味だったと思う。聖書にはイザヤ書43-4に、「わたしの目には、あなたは高価で尊いある。活き活きと体育祭を楽しむ学生さんをみていて、あらためてそうなんだと感じた。


2021キャンパスツアー
 9月18、19日の両日、恒例のキャンパスツアーが開催された。今年も物質系教職員と物質本科4,5年生の協力のもと中学生の皆さんに物質工学科の魅力を紹介した。デモ実験は、DNAの抽出、蛍光反応、炎色反応の3つでった。コロナのため、保護者の方は別室で映像配信となり、蛍光と炎色反応実験は暗室状態下となるため映像が暗くなり保護者の方にはよく見ていただくことができなかったようだ。誠に残念である。


寿命という問題
 「死」というものを恐れる生き物は恐らく人間だけだと思う。だから始皇帝に代表される昔から権力者達は不老不死を求めたのだろう。私達も願わくばできるだけ健康を維持し、長生きしたいと考える。テロメアしかり、メトセラ、サーチュインといった寿命遺伝子はよく知られたところである。他にも寿命に関わる遺伝子はいくつかある。サーチュイン遺伝子を活性化すれば健康長寿となれる可能性があるとのことで、発見された活性化物質にレスベラトロールという抗酸化物質がある。ポリフェノール化合物の一種であり赤ワインなどに含まれているが、ワインから有効量を接種するとなれば、尋常ならざる量を飲まなければならなくなり不可能である。ある意味で、レスベラトロールは長寿によい薬とはいえるのだろうけど、いまのところ食事・腹八分が、最も健康長寿に繋がるというのが結論のようだ。 寿命遺伝子に関する一般向け書籍に 講談社から出版されている寿命遺伝子(森望 著、ブルーバックスシリーズ)がある。大変わかりやすい解説でお薦めである。

未来想像の白地図
 技術評論社から出版されている2060未来想像の白地図という書籍を購読した。アスミュターゼ株式会社の川口氏が編纂した近未来テクノロジーの解説本である。エンジニアが何かを開発する上で、未来社会がどうなっているか(どんな技術が求められるか)とイメージする(できる)ことは重要である。この本はその参考になる。一読をお薦めする。

西澤潤一先生
 赤色・緑色発光ダイオード、半導体レーザー、pinダイオードなどの開発で数々の偉業を成し遂げた
故・西澤潤一先生。 先生が多くの夢を実現するにあたって必要であるとされた3つの条件がある。それが、
「責任感」、「探求心」、「独創力」である。すばらしい!


梅雨があけて。夏本番!
 7月後半となり、梅雨が明け猛暑となっています。我が家のイチジクがまた実りつつあります。
さらに玄関のインゲン豆がなりました。実は小さいですがレモンの木もあり1個だけ実りつつあります。大きくなるか期待大です。
 そして、カブトムシが活発に活動しています。カブトムシはキュウキュウ音を出すのはご存知でしたか?
今年は15匹ほど成虫になりました。幼虫は、30匹ほどいたのですが・・・。小学5年の息子と生き物が
成長する様子を一緒に観察して楽しんでいます。
オリンピックが始まります。スポーツの祭典を期にコロナも吹き飛んでくれるといいのですが。



昨年より少々咲くのが遅かったのですが・・・・
このまま熟さないで、しぼんでしまう可能性大ですね!



いつの間にか成長してました


収穫です!


50p四方のトレーに15匹と過密状態です。


今年も卒業式迎えました!

 3/18卒業式でした。5C全員の顔が輝いていました。天気も快晴!コロナで沈んだ気分が
一気に解消しました。我が研究室の本科と専攻科卒業生も巣立っていきました。感無量です。
 ”わたしは何か月でも、何年でもひたすら考える。99回目までは答えは間違っている。100
回目でようやく正しい結論にたどりつく by Albert Einstein, 1879-1955. ”という言葉贈りたい。
若人よ。失敗を恐れるな!チャレンジ精神をもて!



アネモネが咲きました

 アネモネがまた咲きました。そうイスラエルの春を告げる花です。もう1年たったのですね。
コロナワクチンや検査キットがようやく確立しつつありますね。お互い希望をもちましょう。
 ところで私の花粉症がマックスになりつつあります。
体内杉花粉センサーは感度が悪い方がありがたいのですが・・・。




プランクの尺度
 先に紹介した松原先生の書籍の5章にプランク尺度なる話題がでてくる。

プランク長=1.161625×10exp(-35) m
プランク質量=2.17644×10exp(-8) kg,
プランク時間=5.39125exp(-44) s       なるもの。

これは私達の知識の限界を示すという事。つまり、どんなに測定技術が進歩しても、
たとえばプランク長より小さい尺度の世界は観察できないってこと!?
ということで、この長さは実験的検証ができなくなる限界点ってことかな。


この世界のすばらしさ
 「なぜか宇宙はちょうどいい」という松原隆彦先生の書籍を読んだ。通読して、あらためてこの世界が
存在していることに対する驚きと感動に満たされた。「宇宙の微調整問題」ということで、20のテーマで
書かれている。この本を読むと、この宇宙が単なる偶然でできたものとかたずけてしまうのはあまりにも
おろかである(残念!)と思えてくる。この本で紹介されるさまざまな物理パラメーターの値は、わたしたち
人間が生まれるのにちょうどよい値に調整されているということであり、理論的にその値は決めること
ができないという。
 生物学の世界でも同じようなことがいえる。生物のしくみを学べば学ぶほど生命は偶然で生まれた
とは思えないほど精巧にできている。地球の生命誕生からヒトまでの35億年間は十分な長さ
といえるだろうか?。
 私達は様々な事に疑問をもち、仮説を立て、実験を繰り返しながら実証し科学を進歩させてきました。
多くの人は科学で説明できないことはかたくなに信用しない。その結果、この世界はわからないことばかり
であふれている。私達はどこからきてどこへ行くのか?この究極の問いに科学的に答えられる日は
来るのだろうか?長い年月がたてば、いつかその日はやってくる。
それが現時点での答え(逃避)なのだろうけどそれは人間の傲慢に思えてならない。



劇場のイドラにご注意! by Francis Bacon (1561〜1626)
 「細胞内共生説の謎」という東大の佐藤直樹先生の書籍(東京大学出版会より)を読んだ。少なから
ず私は生物系を専門としてきた人間であり、高専で何年も生化学の講義を担当してきた。植物の細
胞にある葉緑体はシアノバクテリアが、ある時に共生したものだという概念はなんの疑問もない事実な
んだと思ってきた。ところが、どうもそんな簡単なことではないというのが本書の論点である。
ミトコンドリアにいたってはもっと問題ありという(ただしこの本では取り扱われていない)。 
 これと似たような事はよくある。昨日まで正しいと信じられていたことが、ある偉大な先駆者によって、
覆されてしまう。例えば熱力学の法則なんかはまさか否定されるようなことはないと思うが、教科書に
記載されているからと言って鵜呑みにしてはいけないし、常識を疑う心はいつも大切なのだろう。



オープンキャンパス2020
 今年もオープンキャンパスが開催された。コロナ対策により今年は2日間となり中学3年生のみ招いての
開催となった。今年の出し物は恒例の発光実験に炎色反応とバナナのDNA抽出実験だった。また、教員
によるミニ講義もプラスされ盛りだくさんの企画となった。手伝ってくれた5C学生のみなさんには感謝したい。
物質工学科の人気回復に繋がればと思う。 (
おかげさまで人気回復につながりました。)


    


水耕栽培装置導入しました!
 タイヨー電子様のご支援で水耕栽培装置を導入しました。レタス栽培における電界印加の効果や
乳酸菌の効果を調べています。




BC, AC
 BC(Before colona), AC(After Colona)なる用語が使われ始めてるとのこと!?これまで、
世界の歴史は疫病を前後に変革してきているとのこと。たしかにそうだ。例えばスペインが
強大なインカ帝国を従えてしまったのは天然痘の流行による。今回の新型コロナ後に世界
がどう変わるのか?我々はしっかりみなければならない。医療保障や衛生環境の貧富格差
はウイルス蔓延の一因であろう。世界には40%の家庭が安全な水を使うことができない環境
にあるという。第一に取り組まな変えればならない課題だろう。


アオスジアゲハ到来
我が家のベランダにあるイチジクの木にアオスジアゲハが到来した。カメラをむけても微動だにしない。
息子が数センチのところまで手を近づけても逃げようとしない。イチジクにはまだ実もなってないしなんの
ためにきたのか謎だ。蝶の研究で著名な
日高敏隆先生「チョウはなぜ飛ぶか」の書籍を引っ張り出して
読み返してみたが、我が家がアゲハ移動コースになりえる要素はない。おそらく道に迷ったのかな???


美しさにみとれてしまう〜


エドワード・ジェンナー
コロナワクチンの開発が待ち遠しいところですが、ワクチンの開発者といえば天然痘ワクチンの
ジェンナーですね。ジェンナーの才能開花にもやはり素晴らしい師(ハンター)の存在がありました。
ジェンナーへの手紙に書かれたハンターの言葉”Don't think, but try; be patient, be accurate !"
と ”But why think, - why not try the experiment ?"は感動ものです。

 
シャローム

コロナウイルスによって高専の授業開始は5/8まで延期となった。いつもであれば4月はじめに入学式が
あって、翌日から授業開始となるが今年はそうはいかない。当たり前のように教壇に立ち講義を行って
きたがそれができなくなった。最近、なにか寂しい気持ちになっていたがそれがわかった。教壇にたてない
からなのだ。メデイアが発達してネットで配信するという方法もあるが、黒板に板書しながら学生の前で、
その雰囲気を感じながら講義ができる。そんな当たり前の日常が一日でも早く戻ってくることを切に願う。
ともに平安がありますように。イースターの朝を迎えて。


     イースター・リリー@自宅玄関


       アネモネ(イスラエルの春を告げる花)です。 @自宅前

マイケル・ファラデー

 化学や電気の分野で大活躍した科学者ファラデー。その数ある業績の一つに「電磁誘導の理論」
がある。コイルに棒磁石を出し入れすると、検流計の針が振れるやつですわ!実験でやったこと
ある人、結構多いのでは?電磁誘導に関する法則について詳しく知りたい人はぜひ調べてください。
とにかくこのものすごい発見に対して、時の英国王がファラデーに「その発見はいったい何の役に
たつのか?」と質問したところ、「赤ん坊が将来何になるのか聞いてるようなもんです」と答えたそうな。
高山の勝手な解釈で言い換えると、「なんかの役にたつかもしれへんし、たたんかもしれへん」という感じ。
それにしてもこのやりとりが本当なら、王様に対してぶっとんだうけこたえです。電磁誘導の法則の発見
はそれだけ先駆的な研究成果だったという事ですね。ファラデー
さすがやね。

卒業式!
 コロナウイルスの騒ぎでいつも通りの卒業式は開催できなかったが、そんなことを忘れさせてくれる
快晴のよい日であった。みんなの笑顔が素敵だった。担任としては6か月という期間であっという間で
あった。旅立つみんなに何か気の利いた一言をと思ったがタイミングを逸してしまった。
2か月前に青武台だよりと青塔に投稿した高山の贈る言葉を暇なときに読んでほしい。





クラス写真

 1月末となり、いよいよ担任業務も終わりに近づいている。半年だけの担任だからあっという間も
しょうがない。恒例の青武台だより用の集合写真をとった。わたしにとって、また一つ思い出の財産が
増えた。残り2か月みんな無事に卒業をむかえてほしい。




エンゼルランド児童館訪問
 11月23日(土)。福井市春江にあるエンゼルランド児童館を家族で訪問した。この日は児童館
の20周年ということで、名誉館長の毛利衛さんによる講演が行われた。毛利さんというと私の
世代でいうと、日本で最初のスペースシャトル宇宙飛行士になられた方でまさにヒーローである。
その毛利さんの生講演を初めて息子と一緒に聞いた。内容は盛りだくさんであったが、毛利さんの
”ひとはなぜ宇宙にいくのですか”というある女の子の質問に対し、その答えは展示パネルを
ぜひ見てくださいと答えられ、早速講演の後に息子と展示を見に行った。”地球人であることと、
美しい地球の大切さを確認するためだと思います”というその答えに深い感銘をうけた。
 エンゼルランドの展示のコーナーには、ほかに毛利さんが訓練で使用したヘルメットや、宇宙で
使用した小物グッズが展示されているのでぜひ一度訪問されることをお勧めする。




令和元年度中間報告会
 今年も11月22日に中間報告会を開催した。5C諸君全員緊張した表情で各先生方や4年生
からの質問に答えていた。最後の発表会まで残り3か月余り。ベストを尽くしてほしい。




川西中学校出前講座

 福井市の川西中学校生徒140人対象に、スライム時計つくりで出前講座を行った。
6人のスタッフで140人はやはりハードであった。中学教員の皆さんのサポートがなかったら
進行に支障をきたしていたかもしれない。各自パワポの説明に従ってレシピに従い同じように
つくるのだが、やはり生徒さんによってスライムの粘り具合に違いがあったり、うまくいかない
生徒さんも何人かいた。学習のポイントとなるゾル-ゲルの理解はできただろうか?
化学に対する興味を持ってもらえただろうか?

一読のすすめ
 "ゾウの時間 ネズミの時間"という中公新書からの本川先生の書籍で初版の1992年以来、
2015年の段階で72版とロングセラーの本を読んだ。とても面白かった。例えば標準代謝量が体重の
3/4乗に比例する事や、動物の時間も体長の3/4乗に比例することを挙げている。そしてロボット
の歩く速度の設定にこの法則を反映させてみてはどうかという提案をされている。目から鱗的な
発想である。動物学者からの視点が学べる一冊です。ユーモアあふれる曲も楽しめます。
ぜひ一読を。

まなべの館は間部由来!
 いつも通勤路の途中にみえる”まなべの館”。昨日の文化交流会で5Cを引率して
はじめて訪問した。てっきり”まなべ”のネーミングの由来は”学び”にあると短絡的に
思い込んでいたがとんだ大間違い(穴があったら入りたいくらい恥ずかしい)。鯖江の
礎を築いた鯖江藩主の”間部家”に由来するとのこと。何十年もこの鯖江で奉職して
きたのに、鯖江藩主が間部家だったことさえ認識していなかった自分の無学さに絶句
した。時間をかけて2Fの間部詮勝公の生涯を展示物とともに学んだ。幕末から明治を
生きた人は本当に日本の国の事を命をかけて考えていたんだなと本当に思い知らさ
れた。自分がこの時代を生きていたら、どんな生き方をしただろうか?だからといって
今は平和で良き時代なのだろうか?紛争や飢餓や環境問題をはじめとしていま真剣
に取り組まなければならない問題は山とあるじゃないか!そう、
SDGs
(Sustainable
Development Goals, 持続可能な開発目標, 17のゴールと169のターゲットがあるよ。
エスディージーズと読みます!)
に取り組もう。目標の2030年なんてすぐだよ。
わたしは2と6と7かな。17の目標詳細は外務省のホームページにあるよ。加えてSDGs
の精神っていうのは、
”老者安之、朋友信之、小者懐之”に通じるものあるよね。
  
 機会をのがさずすべてに興味を持つことです。まなべの館を訪問していなかったら、
わたしはどこかで大恥をかくところでしたよ。みなさんちゃんと見てきましたでしょうか?

Goddess of chance is not only bangs !


          今年度担任の5年生とともに



2019年ノーベル賞に吉野彰先生が受賞
 
9日ノーベル化学賞の発表があった。リチウム電池の開発への貢献である。
受賞者3人のお一人となられた吉野先生は小学校4年生のときの担任の先生から
薦められたファラデー著書の「ロウソクの科学」を読んだことが化学に興味をもつ
きっかけになったとおっしゃった。もちろん本の内容に啓発されてとのことだと思うが、
視点を変えてみれば、この小学校の先生がこの本をこのタイミングで進めていなかったら
もしかして吉野先生の進まれた道は違ったかもしれない。偉大なる人物の人生において
教師という存在が少なからず影響していたんだと実感した。吉野先生と比較に及ばないが、
私自身も同じ小学校4年の時に、担任であった先生が離任するにあたり、授業を聞かないで
迷惑ばかりかけていた自分の手をとって、高山くん。あなたもこれからよ。勉強がんばってね
と真剣な顔でいわれた経験が今も忘れられない。あなたには本当に手をかけられたわよ
と、あの時先生に愚痴めいた事をいわれていたら、自分の人生はまったく違った方向に
行っていたと思う。教師の言葉はいつも重い



福井県味噌・醤油鑑評会に参加しました

 10月4日(金)午後、福井県食品加工センターで開催された味噌・醤油鑑評会に審査委員として
参加させていただいた。福井県内の味噌・醤油生産業者から出品された10種類の味噌と20種類
の醤油の審査会である。色覚や味覚そして香りをはじめとしたいくつかの審査項目に従って評価
させていただいたのだがこれがなかなか難しい。審査委員の好みや育った環境(出身)も大きく
影響するだろう。生産業者様がいずれも丹精込めて作られたものを評価するということで、とても
重圧を感じた。人間の味覚や臭覚を凌駕することはとうていできないであろうが、工学を専攻する
ものとして味噌や醤油を評価する自動化システムがあればよいと感じた。
味噌の香り成分は200種類以上あるというが、いくつか特定の鍵となる成分に絞ったセンシング
システムなら構築できるであろうし鑑定のサポートになるだろう。
興味はつきることがない。



5回目の担任やります!
 
9月30日(月)をもって5C担任となりました。これもなにかの縁だ!
通常の担任期間は3年だが今回はその1/6になる。
半年だけの短期間だが存分に楽しませてもらうつもりだ。
そして高山の担任した卒業生として導きたい。卒業式に連続かかわるなんて夢のようだ!
なんてお得なんだろう!楽しみでならない。


中藤島公民館出前授業開催(超低温の世界)
 
9月14日(土)に福井市の中藤島地区の小学生児童(1年〜3年生、約50名)に液体窒素を用いた
簡単な体験実験を開催した。はじめに液体窒素がどんなに冷たいものかポスターを用いて説明した。
小さい子供たちが理解できるように話すことはほんとうに難しいことだと痛感した。事前に3年生の息子
に聞いてもらい練習していったがやはり大変だった。でも単に面白いだけではつまらない。
なぜそうなるのっていう疑問を持ってほしいとそう思った。体験実験ではみんな大はしゃぎで喜んでくれた。
2時間あまりの講座だったけどかなり疲れた。でも子供たちの興味津々の顔や、最後の質問コーナー
でいろんなことを尋ねられ、やってよかったと思った。協力していただいた教職員のみなさんにも感謝です。


   液体窒素にレタスの葉を浸しているところ

粘菌講座終わる!!
 
7月15日(月)公開講座「粘菌を知ろう!」を無事終了できた。14名の参加者(中学生3名と小学生11名)で大変盛況だった。粘菌のスペシャリストである越前町立植物園プラントピア園長の松本淳先生を講師にお招きし、その生態について詳しく教えていただいた。実際に粘菌(変形菌)を採集し、実体顕微鏡を用いて観察し、標本づくりまで教えていただいた(実に3時間!)。今まで気づかなかったのが不思議なくらい、さまざまな種類の変形菌をみつけることができた。この講座を通して、一人でも多くの子供たちが生物(自然)に対する興味をもってくれたら幸いだ。子供たちの心に粘菌”という科学の種がまかれたことだろう。
         松本先生!休日返上で来ていただき本当に感謝です。ありがとうございました。

 ドアを開けるのは教師であるが、中に入るかどうか決めるのは君たちである。
     
   著者不詳の言葉なのですが、今回のイベントを終えるにあたりふと脳裏をよぎりました。


講義風景  みなさん真剣なまなざしでした。


子実体を倒木から採取中


図鑑を調べて同定中!


ルーペを用いてプロの目で判定!



これが子実体です。とても小さいのです。

イチジク
 自宅のベランダの鉢植えのイチジクの実が今年も実った。8年目になる。たった30pだったのがいまでは3mをこえようとしている。聖書の禁断の果実とはイチジクであるとも言われている。果実というが実は花の部分である。プチプチといった触感とほんのりした甘さが何とも言えない。はやぶさ2の2回目のリュウグウ着陸成功のニュースを見ながらおいしくいただきました。JAXAすごいね!無事帰ってきてあらたな発見なるか?関係する分析化学者の腕の見せ所ですね。



カブトムシ誕生
 5月に近所の足羽山で採集したカブトムシの幼虫が7月になり、次々と羽化をはじめました。現時点で8匹(雄5に雌3)ですがまだまだいます。羽化するまでの最後の様子をみようと、息子と一緒に朝早くから起きて観察しました。カブトムシは自分のうんちと昆虫マットをうまく固めて蛹室をつくっているんだよと息子が得意げに話してくれました。蛹になるプロセスでカブトムシの角がポンとでてくることに関する論文がオンライン専門誌 Scientific Reports (2017/10/24)に掲載されています。 ほんとにいろんな研究があるんですね!






               
教育の大切さと教育者の責任
 レオ・ジラード、エドワード・テラー、ジョン・フォン・ノイマンなど数多くの著名な科学者が同じ時代に、ハンガリーの同じ町、同じ学校(高校:ギムナジウム)からの出身である。これは彼ら自身の天性の能力の高さはもちろんだと思うが、彼らが学んだギムナジウムの教師たちが彼らの能力を引き出すためのすばらしい教育を行っていたという証なのではないだろうか!
 
教えることは二度学ぶことである”  Joseph Joubert 

忍耐!
 ウイキペデイアで忍耐”という言葉を調べると、「苦しさ、辛さ、悲しさを耐え忍ぶこと。例えば、自分に不都合なことなどを人にされても、暴力的な仕返しをしたり、現実逃避したりしないなど」
(Wikipedia から引用)とある。思いもしない艱難にあい、忍耐を強いられることはとてもつらいことであるが人間の成長にはかかせないことである。 艱難をも喜んで受け入れられるよう備えていきたい。
"艱難汝を玉にす" Adversity makes a man wise!


学ぶこと
 今年もたくさんの新入生を迎えた。恒例の新入生歓迎会があった。みんな緊張感でいっぱいだった。高専生活に早くなじんでほしいと思う。ところで新入生のみなさんは将来、エンジニアや研究者になることを夢見て入学してきたことと思う。そんな皆さんに一言。学びに対する愛と情熱を持ってほしい。そして勉強(仕事)は、何より楽しみながらするもの。アインシュタインが息子のハンス君(水理学専門だった)にあてた手紙にこうあります。”時がたつのを忘れて楽しむこと。これこそ学ぶための最高の方法である”と。

"知之者不如好之者、好之者不如楽之者”



年縞博物館

 三方上中群にある三方湖湖畔に最近オープンした年縞博物館を家族で訪問した。水月湖湖底に堆積した泥の層が織り成す縞々が7万年間の歴史のスケールになるのだという。知る人ぞ知る“世界のものさし”である。実物は、白と黒(1年0.7ミリ!))のストライプの繰り返しで、一見するととろろ昆布のようなものが壁に貼り付けてあるような錯覚に陥るのだが、博物館にある説明文を丁寧に読んでいくと、これはなかなか奥が深い。じっくり読みたいのだが、横に一緒にいる息子は入り口で配布されたクイズの解答探しに気を取られて先を急ごうとする。 なんといっても、7万年もの途方もない期間にわたって堆積物が安定して存在してきたこと(そのわけは4つあるそうだがぜひ博物館で学んでね)は奇跡としかいえない。


                            年縞の全体像



この一つ一つの縞に過去の情報が隠されているなんてロマンですね

中谷宇吉郎
 石川県加賀市の柴山潟湖畔にある中谷宇吉郎雪の科学館に家族で訪問した。雪の結晶の研究で知られた物理学者である。“雪は天から送られた手紙である”は有名な名言。ここを訪問してわたしが一番感動したのは、人工雪の結晶を作る装置。この装置のポイントの一つは、結晶を成長させるために用いる糸の部分。先生はその材料にウサギの腹毛を選んだということ。ウサギの腹毛にある顕微鏡サイズの小さな瘤が雪の結晶核になるという。既存の装置ではなくまだ誰ももっていない実験装置をうみだす醍醐味。そしてまさにエジソンが電球のフィラメントの材料として試行錯誤の結果、日本の竹(京都の八幡)にいきついたという話との共通性。個人的には志方益三博士のポーラログラフ装置の開発が脳裏を横切りました。なんとも感動でした。師匠の寺田寅彦博士との深いかかわりや、数々の宇吉郎博士の研究魂に触れることもできました。ぜったいおすすめの博物館です。
館内では、過冷却現象に関する実験ショーや、氷のペンダント造りが体験できます。


                人工雪の結晶製作装置


ハリガネムシ 2
 ハリガネムシ。いったい生態系においてなんの役にたってるんだろうとずっと考えていました。そしたらつい最近何気なく目に留まったウエッブサイトにその解答の一つがありました。ハリガネムシに寄生されたカマドウマが落水する河川と、しない河川(人工的に川の周りにビニールをはってカマドウマが飛び込まないようにしたそうな)を比べたところ、なんと川に発生する藻類の量が2倍になるとともに、落葉の分解速度も減少したという報告がありました。餌になるカマドウマが減った川に生息していた魚が、そのエサ不足を補うため水生昆虫(藻類や落葉を食べる)を食べるようになったからだという。どんな生き物だって役にたってるんだね。すばらしい!

卒業式
 やっぱり卒業式は最高ですね。若者の一人一人に、高専をやり遂げたという達成感とあらたな舞台へ挑もうとしている活気を感じることができます。特に今年は4回目の担任として、物質工学科生32名を新たに送り出すことができ、私自身も達成感を感じました。これが教師の宝なんですね。


わたしの宝物




 本棚を整理していたら学生時代に購入した書籍が出てきました。“化学反応と電子の軌道”という書籍で、福井謙一 先生(アジア発のノーベル化学賞受賞された大先生)に直筆のサインを書いていただいたものです。そのときの感動がこの年になって甦ってきました。大事にとっておかなければとしみじみ思いました。

カピバラ

 足羽山動物園のカピバラを見に息子といきました。こんなに身近に動物に触れ合えるのは感動です。観察すればするほどその存在が興味深く愛らしく感じました。他にも魅力的な動物たちをじっくり見れます。生物の多様性に感激です。生き物に関する研究(微生物ですが)ができて本当に良かったと思っています。


マイクロ・トム 収穫です!


 なかなか実が赤くならないと思っていたら、温度制御(しばらく10から15℃になっていた)が原因でした。
初歩的ミスですね。味はどうかな?


マイクロ・トム!


 ほぼ完成した(自己満足かも?)人工光植物育成装置を用いてトマトを試験的に育てています。
播種後2−3か月でトマトが実り黄色がかっています。
これから養液のトマト成分への影響を調べていこうと思っています。


カマキリ誕生!
 5月16日、この冬の未曾有の大雪が嘘に感じるような少し暑い一日となりました。自宅のベランダで、雪をかぶりながら放置されていたカマキリの卵がなんと孵化しました。みるみるうちに小さな小さなカマキリが、そこらじゅうに。長い長い冬を越えて新しい生命がたくさん芽生えました。大感動です!生き物の神秘を感じさせられました。無邪気に大喜びしている息子の横で、もっと生き物について、知りたいという欲望がわたしの中に生まれました。昆虫もやってみたいな。

    
5ミリに満たないほんとに小さくてかわいいのです。


シイタケ菌床栽培

 大飯郡大飯町にあるキノコの森にいってきました。帰りに、シイタケ菌床栽培セットを購入しました。条件がよかったのかみるみる育って大収穫です。現在、第二栽培周期にはいっています。キノコの研究も面白いだろうなと思いながらおいしくいただいています。


               脱衣所で育ててます

トロトロ層
 雪も解け暖かさが一段と増した3月の終わり。丹南地区で有機農業を営む仮名: 有機さんの水田にお邪魔した。水田の表層度の一部を瓶にサンプリングし,実験室に持ち帰ってしばらく放置しておきました。そうしたら、いるわいるわ無数のイトミミズが!このイトミミズのおかげで、通称 "トロトロ層"ができあがる。おいしいお米はもちろん、雑草も生えにくい良好な水田になるんです。トロトロ層の秘密を暴いてやりたいです!

赤い細長いやつらです。わかりますか。
実物は実験室で生きています




 最近、子供が目に入るものすべてに関心があるのか質問を投げかけてくる。先日は、こうだ。月はどうやってできたの?恥ずかしながら即答はできなかった。息子の目を盗んで、Web検索した。諸説あるようだが、最近有力になっているのがジャイアントインパクトなる説で、要は巨大な火星サイズの惑星が地球に衝突した結果だそうだ。宇宙の広さから考えると火星サイズの惑星との衝突も極めてレアなこと。もし、月がなかったら・・・。地球の生命は存在しなかったかもしれない!まさにジャイアントインパクトは奇跡だね!それにしても、子供の質問は多様だ。まだまだ勉強不足だと思い知った。明らかになっていることすら知らないことばかり。そして自然界は人間にはわからないことばかり。人の好奇心はつきることはない。

ハリガネムシ 
 先日、小学1年になる息子と公園を散歩していました。すると急に息子がはしゃぎだして、カマキリをつかみあげました。なんだカマキリねとほっておいたら、今度はみてみてとやたらうるさいので、仕方なくみてみると、ほそながーい、こげちゃの虫がお尻のあたりからでてきました。これは “はりがねむし”というんだと興味津々得意そうにいいます。そんな虫がいるの?そう、この虫はかまきりに寄生し成長すると、最後にかまきりをあやつって水辺に誘導すると、にゅるっと体のおしりのあたりからぬけだすんだよ。と子供に教えられちゃいました。なんとすごい虫だ!そんな寄生虫がいるんだ!なんとおぞましく、いったいなんの役にたっているのか?と生物多様性のすばらしさに思いをはせながら・・・。いったいかまきりを操るメカニズムはなんなんだろうとしばらく考え込んでしまいました。うちに帰って、ネットで検索してみると、なんとやはり研究されている人がいるんですねー。やっぱり普段から自然をよーく観察して、不思議だなって思う事が研究のきっかけになっていくんだろうなーてなことをあらためて感じました。自然への好奇心が鈍くなった自分を反省し、そして子供に感謝でした。

 
                   ひからびたミミズじゃないですよ!

水耕栽培
 水耕栽培を始めました。LED白色光でレタスの栽培をしています。写真は播種後40日のものです。ためしに食べてみました。まさに美味でした。システム自体は未完成です。温度、湿度、二酸化炭素などの環境因子をモニターして、いろいろ制御できるようにしたいと考えています。ある意味で趣味の世界ですね。今度はハーブにチャレンジ!


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