「物質工学科」からのメッセージ


 物質工学科長からのメッセージ  
 
教授 常光幸美

 令和4年(2022年)現在、人類は新型コロナウイルス感染症という地球規模の疫病の危機を科学者の英知と最新技術を駆使して開発したワクチンや治療薬によって乗り越えようとしています。“物質工学科”の基盤とする「化学」と「生物学」は、こうしたワクチンの創製、ウイルスの迅速・簡便な検出方法、抗ウイルス薬(分子)の設計・開発プロセスにおいて極めて重要な役割を果たしています。
 一方、地球上には新型コロナウイルスという厄災や地殻変動による地震などのような自然災害の他にも地球環境問題と生物の共生やエネルギー問題等様々な問題があります。例えば、地球温暖化問題“カーボンニュートラル”の解決には、クリーン環境エネルギー供給システム(自然エネルギー・再生可能エネルギーと水素エネルギー循環システム)の開発が期待されています。これらの科学技術の研究開発においても、「化学」と「生物学」は重要な“鍵”を握っており、大いに威力を発揮します。我々の最も身近な蓄電デバイス“リチウムイオン電池”は、現在の生活に欠かせないものであり、その性能は年々向上して人々の生活を豊かにし、パソコンやスマートフォン、さらには電気自動車などの利便性・品質向上へと結びついています。2019年にはその重要性が高く認められ、“ノーベル化学賞”がリチウムイオン電池開発に大きく貢献した吉野彰氏等3名の研究者に授与されました。
 ぜひ皆さんも、夢希望と魅力に満ち溢れた「化学」と「生物学」の世界への第一歩を踏み出してみませんか。物質工学科教職員スタッフ一同、社会を支える“エンジニア”という大いなる夢の実現に向かって、皆さんの本校福井高専での学びを全力でサポートいたします。皆さんのご入学を心よりお待ちしております。

 
   
 新任教員からのメッセージ
准教授 古谷昌大

 私は、今から約20年前に福井を飛び出し、2020年4月に福井高専 物質工学科の教員として再び福井に戻ってきた、一福井県民です。物質工学科には化学と生物の先生がいらっしゃいますが、私はどちらかというと化学の方の人間です(専門分野や授業科目については、後で「スタッフ及びオフィスアワー」の所を見てください)。地球環境になるべく迷惑が掛からないような社会を実現するための、工業材料の研究に取り組んでいます。
  研究は、山登りのようなものです。まず、山を登るための体力が必要です。これは、研究するためには、日々の授業や自主学習で基礎学力を付ける必要がある、ということです。そして、体力があったとしても山登りはしんどいです。研究は、こちらの思い通りには進まないのが当たり前で、試行錯誤の連続です。 しかし、山を登った人しか味わえない景色や経験があるように、研究に真剣に取り組んだ人しか味わえない「景色」や「経験」があるのです。物質工学科に入学した学生さん達には、是非それらを味わってもらいたいと思っています。
 将来、進学・就職を経て社会人になったとき、福井高専 物質工学科で学生生活を送ることができて良かったと振り返って思ってもらえるように、一所懸命がんばります。

 
   

新任教員からのメッセージ
助教 山脇夢彦

私は、前職で医薬品製造の企業で研究開発職として働いていました。医薬品を製造する中で、この福井高専出身の方々(皆さんの学科の先輩)と一緒に仕事をする機会が多かったのですが、関わった方全員が 仕事に対し情熱を持ち、会社で活躍しておられました。特に感じたことが、「コミュニケーションをとりながら協力して物事を達成に導く、そして自分の意志を持って行動できる」という働くうえで最も大切な事を持ち合わせていることでした。私は皆さんの先輩から色々学ばせてもらい、次はそれを皆さんに伝えることができたらいいなと考えています。

話は変わりますが、現在の世界では光エネルギーを用いた反応開発が大変注目されており、論文もここ数年で数多く出されています(まさにブームです)。私はこの研究をブームになる以前から研究していまして、様々な反応を論文として報告してきました。この最先端の技術を皆さんと共に一歩ずつ前に進めていけたら嬉しいです。

最後に、私の趣味はバドミントンです。ちなみに、そこそこ強いです(中学生のころにリン・ダン選手の母校で現在のオリンピック代表候補の方と一緒の合宿に参加していました)。

機会があればお手合わせをよろしくお願いします。

 
 
   
物質工学科でバイオテクノロジーや新素材について学びませんか
平成30年卒業 木下明日香(大野市立開成中学校出身)
私は物質工学科の5年生でサントリープロダクツに就職が内定しています。 物質工学科では、バイオテクノロジーや新素材などを学べます。 ぜひ中学生の皆さんも物質工学科に入学して最先端の 「化学」を学び、ものづくりや環境などへ貢献してみませんか。


ノーベル賞を夢に勉強しませんか
名誉教授 吉村忠与志

最近、日本人科学者が相次いでノーベル賞を受賞しています。いずれも化学分野をベースとした研究で、地道に実験を重ねた成果であり、とても誇らしくうれしいことです。特に田中耕一さんは「博士号を持たない受賞者」として有名になりました。鈴木章さんや根岸英一さんがクロスカップリングの開発で受賞しました。バイオの研究では、山中伸弥さんがiPS細胞で、大隅良典さんがオートファジーの解明で栄冠を得ています。私たち物質工学科は、夢に通じる化学のおもしろさに出会えるように実験を重視し、工夫をこらした授業を行っています。
皆さんも先輩達に習い、物質工学科で新しい可能性に挑戦してみませんか。
吉村先生



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