【所在地】〒916-8507  福井県鯖江市下司町
 【連絡先】TEL:0778-62-1111 / FAX:0778-62-2597
 
 【アクセス方法】
     電車:JR鯖江駅から徒歩約25分、タクシー約7分        JR武生駅からタクシー約15分
        福井鉄道 西鯖江駅から徒歩約20分
    
     自動車:北陸自動車道 鯖江ICより約10分

福井高専には東西に約350 m、南北に約250 mの約2万6千坪(東京ドームの約1.9倍)の敷地を有し、物質工学科はその中に、赤字で示した、隣り合った4階建ての物質工学科棟物質工学科新棟の2棟および薬品倉庫を有しています。 昼食場所の学食や売店に一番近い場所に位置しています! 
4階建ての物質工学科棟の外観です。
手前の階段は、非常階段です。赤字で示した窓側の屋上まで延びているグレーの配管は、実験室内の空気を清浄に保つために、実験室や研究室内のドラフトチャンバーと呼ばれる排気装置によって一度洗浄した後、排気を屋上まで送っている塩ビ管です。
また、実験室や研究室は省エネを配慮し「ロス無い換気」がされています。
 
物質工学科は約20年前の平成7年に工業化学科から改組され現在に至っています。その時に建てられた4階建ての物質工学科新棟の外観です。
主に、改組した時に導入された生物工学、材料工学関連の高学年の学生実験や研究に使用されています。
 
こちらの建物は、野球場のバックネット裏にある薬品倉庫です。少量の薬品は、各研究室で保管していますが、多量のアルコールなどの可燃性危険物や水酸化カリウムなどの劇物などはこちらに保管しています。
室内は2室に分かれており、保管や倉庫内での作業を考慮し、排気塔が2本設置されています。
物質工学科新棟の講義室です。物質工学科は4年生から材料工学コースと生物工学コースの2コースに分かれたコース制をとっています。それぞれのコースの授業を並行して行うために、物質工学科新棟に20名程度が受講できる講義室を有しています。 
こちらの部屋は、物質工学科棟2階の学生実験室です。こちらの実験室は3年生の4月から8月までの有機化学実験と、10月から2月までの生物化学実験で使用しています。一度に40人の学生が一緒に実験できます。
このような実験室は、1~3階にそれぞれ1室ずつ設置されており、2~4年生の学生実験を行っています。
2~4年生までと異なり、5年生の学生実験はそれぞれのコースで行うため、新棟にはこちらのような20名程度で学生実験を行うことが出来る小規模な実験室が1~3階にそれぞれ1室ずつ、計3室設置されています。
物質工学科では、情報処理能力も身に着けた化学技術者育成も目指しています。マルチメディア室では、化学に関連したコンピューターシュミレーションや画像処理などを行っています。 
全ての工学実験室や研究室には、こちらのようなドラフトチャンバーという排気装置が設置されています。ファンによって空気が実験室内からこのドラフトチャンバー内に引き込まれています。
揮発性の高い有機物質を取り扱う際には、装置の中に手だけを入れて有機物質を吸わないように空気の気流中で作業を行い、排気も薬剤によって洗浄して屋上に排気されています。
 
生物関連実験の場合は、化学関連のドラフトチャンバーでは吸気や排気が滅菌されていないために生物災害(バイオハザード)に対応できません。そこで、ドラフトチャンバーの1種である安全キャビネットを用います。滅菌用フィルターを通して滅菌された空気のもとで実験操作を行い、排気も滅菌して排出するところがドラフトチャンバートは異なります。 
生物関連の反応や生体成分の分離・精製など、常温で取り扱うことが難しい場合は、こちらのような個室全体が外気から断熱され、かつ+4度に制御された低温実験室で実験を行います。こちらは、新棟4階に設置されています。 
物質工学科には、他の学科にはない緊急用シャワーが実験室や、研究室外の廊下に設置されており、有害物質が体にかかった時には応急処置として使用します。
しかしながら、実験中には常に2~3名の教員が実験室を巡回し、十分な安全指導を行っておりますので、過去50年間使用したことはありません。
 
こちらの装置は、ロータリーエバポレーターといい、主に溶液を減圧してその中の溶媒(例えば食塩水なら水)を蒸発させて、溶質(食塩水なら食塩)を濃縮させる装置です。水は自然に蒸発しますが、この装置は、その蒸発を低温で素早く行うことが出来ます。低温で溶媒を蒸発できることで、熱に弱い物質の濃縮に有効な手段です。 
こちらの装置は、高速液体クロマトグラフといいます。価格は800万円程度。化学物質が純粋か混合物なのか等を溶液状態で分析する装置です。テレビの刑事ドラマなどで出てくる、警察の鑑識での犯人の遺留品の分析などにも使われています。 
ガスクロマトグラフとは、液体クロマトグラフに比べて気化しやすい物質を熱で気体にして分析する装置です。赤いボンベは水素ガスボンベですが、これは空気と水素で物質を燃焼させて分析するために使用します。グレーのボンベは窒素ガスボンベです。これは装置の中に20 m程度のカラムという管が入っていてその中を調べたい物質を通すために圧力をかけるために使用します。 
API質量分析とは、大気圧で有機化合物をソフトにイオン化して質量を測定します。質量分析を行うことで、有機化合物の質量(大きさ)に関する情報が得られます。この装置では、ESI(エレクトロスプレーイオン化)、APCI(大気圧化学イオン化)、APPI(大気圧光イオン化)の各手法が選択できます。 
液体窒素は、窒素が液化したものでー196℃の極低温状態を簡単に利用できます。NMR(核磁気共鳴装置)の超電導磁石に使用する液体ヘリウム(-269℃)の蒸発を低減するために利用されたり、学内にある各種装置の検出器の冷却などに利用しています。 
核磁気共鳴装置はNMRと呼ばれ、有機化合物の構造決定に欠かせない、得られる情報が多い装置です。超電導状態を保つため、コイルを液体ヘリウム(ー269℃)で冷却する必要があります。医療現場で用いられているMRI(磁気共鳴画像)も同じ原理であり、この装置の親戚です。 
こちらは、精密上皿天秤です。2マイクログラム(100万分の2グラム)まで測れます。価格は軽自動車以上です。 
X線回析とは、紫外線より波長の短い、目に見えないX線が規則正しい原子の配列である結晶の格子で、光路差により波が強め合ったり弱めあったりする現象です。この現象を利用して、物質の結晶構造を調べることが可能です。このようにX線回析の結果を解析して、結晶内部で原子がどのように配列しているかを決定する手法をX線構造解析といいます。 
物質工学科は化学と生物の関連学科ですが、このような装置を使った学生実験も行っています。こちらの装置は、熱交換器実験装置という装置で、温度の高い物体から温度の低い物体への熱の伝わり方について実験する装置です。省エネで注目されていて、換気はするけど熱は逃さないといった「ロス無い換気」などにも、このような知識が使われています。 
こちらの左の装置は、物質内の熱の伝わりやすさを測定する装置、右は充填物による流体への影響を測定する装置です。熱の伝わりやすさや充填物の圧力への影響などを学びますが、このような装置による実験は、化学プラントなどの設計をする時に必要となるものです。 
こちらは遠心分離機です。家庭用ミキサーは、1分間に2000回転程度ですが、こちらの遠心分離機は1分間に2万回転させることによって発生する強い遠心力で分離困難な混合液を短時間に分離することが出来ます。1分間に2万回転ということは、1秒間に約300回転!人間業とは思えません。 
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)とは、DNAを増幅するための原理またはそれを用いた手法のことです。PCR法や派生した様々な技術は、分子遺伝子学の研究のみならず、生理学・分離学などの研究にも広く応用されています。また医療や犯罪捜査にも大きな役割を果たしています。 
示差熱天秤は、試料を加熱した時の重量変化を電子天秤で精密に測定することで、熱分解の過程や物性の変化を知ることが出来ます。また示差操作熱量計は、試料の熱量の変化を標準試料と比較し、その物性変化が発熱反応か吸熱反応であるか、どのくらいの熱量であるかを測定することができます。 
水が汚れていると酸化される有機物の量が増えます。そのために、全有機炭素の数値も増えます。こちらの装置は、その全有機炭素を測定する装置です。この全有機炭素の数値が水質指標の一つとなっています。要するに、全有機炭素の値が大きい値なら、有機物が多く、汚れているといった判断材料の一つになります。 
色のついている物質が液体に溶けているとき、濃度が高くなるほど人間の目では色が濃く見えます。分光光度計は、この色の違いを波長で、色の濃さを光の吸収の程度(吸光度)で数値化することで、化学成分や構造に関する特徴(定性分析)やその濃度(定量分析)について測定することができます。 
こちらの装置は、主成分の金属元素の濃度を測定するときに使用します。主成分といっても、例えばミネラルウォーター中のカルシウムやナトリウムならば10~100倍に薄めて測れるくらいです。初心者でも簡単で扱いやすいので、学生実験でも使用します。 
微量の金属元素濃度を測定するときに使用します。フレーム原子吸光分析装置の100倍程度、高感度に測定できます。材料中の不純物分析や環境分析、食品分析など多くの分野で利用されています。オートサンプラー装置付きなので、セットしておけば無人で自動的に何十サンプルもの測定を行ってくれます。 
原子吸光分析装置と同じく、金属元素を測る装置ですが、この装置は超微量分析に使用します。その検出限界は、なんとppt(1兆分の1:およそオリンピックプール3杯分の水に、耳かき程度の塩を溶解させた溶液濃度)を下回ることも!大型特殊施設を除けば、元素分析装置としては最高の感度を誇ります。また、同位体の測定も可能です。